観測施設情報

水野研では、北海道陸別町、南極昭和基地、アタカマ高地(チリ)、リオ・ガジェゴス(アルゼンチン)、トロムソ(ノルウェー)にミリ波大気分光観測装置を設置し、成層圏・中間圏のオゾンや窒素酸化物、オゾン層破壊物質等の大気微量分子の定常観測を行っています。

トロムソ(Tromsø, Norway)

 

図 EISCATレーダーサイトに設置されたミリ波大気観測用コンテナとオーロラ

 ノルウェー・トロムソにあるEISCAT(European Incoherent SCATter;欧州非干渉散乱)レーダー観測所は、北緯69度35分の北極圏に位置し、主にVHF/UHFレーダーを用いてオーロラをはじめとする超高層大気物理の観測的研究を行っている施設です。日本からは、デンマークのコペンハーゲンやフィンランドのヘルシンキを経由してノルウェーの首都オスロ空港に飛び、さらに国内線に乗り換えてトロムソのラングネス空港まで行きます。そこから路線バスや空港バスで市街中心部に行き、さらに近郊バスに乗り換えて20kmほど離れた観測所まで行くことができます。ここまでの日本からの所要時間は、20時間ほどです。
 私たちは、2015年度から新たなミリ波観測装置の運搬と設置を開始し、2016年度に装置の立ち上げと調整を行ってきました。そして、2016年12月10日の夜(現地時間)に、250GHz帯にあるオゾン分子スペクトルの試験観測(ファーストライト)に成功しました。現在、定常観測の開始に向けて、最終調整を行っています。ここでは、極域の大気圏に降り込む高エネルギー粒子による大気微量分子の組成変動の解明を進めるとともに、ほぼ対極に位置する南極・昭和基地の観測結果との比較という観点で研究を進める予定です。
 なお本研究計画は、JSPSの頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラムの一つ「太陽地球環境における高エネルギー粒子の生成と役割:気候変動への影響を探る」として採択されたものです。

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